JO2ASQ公式サイト > 自作 > 1.9/3.5/7MHz 逆L型アンテナ
1/4波長接地型アンテナ、およびその短縮型(1.9/3.5/7MHz ホイップアンテナ)は、エレメント全体を垂直に展開できない場合、一部を水平にしても動作します。そこで、手持ちの5.4m伸縮ポールに合わせて、1.9/3.5/7MHzの1/4波長フルサイズの逆L型として、以下に紹介するようなアンテナを使っています。
釣竿を使用した垂直型・短縮型アンテナと比較して、次の利点があります。
強風でも使用可能であることは、他の方法には無い長所です。2006年に1.9MHzの運用を始めて以来、主戦力のアンテナとして改良を重ねながら使っています。
7MHzの1/4波長のワイヤー(約10m)と、自動車のボディアースを使えば、ほぼ50Ωのインピーダンスが得られることが分かりました。
しかし、1.9/3.5MHzでは、1/4波長のワイヤーの全体を垂直に立てることは困難なので、移動局の多くは10mくらいのワイヤーで妥協して、アイコムAH-4などオートマチックアンテナチューナーを使ってマッチングを取っているようです。私は7mまたは8mの釣竿にワイヤーを沿わせて使っています。
任意長のワイヤーでマッチングを取るより、できるだけ共振点に近い長さ(1/4波長×短縮率)の方が性能が良いはずです。そうすると、1.9MHzや3.5MHzでは、根元の数mだけを立てて、それより先は地上に向けて斜めに張る、いわゆる逆L型アンテナとなります。
給電部、およびアースは、1.9/3.5/7MHz ホイップアンテナと同じものです。
伸縮ポールの先端部分には、水道用塩ビ管キャップに穴を開けてワイヤーを吊り下げられるように加工したものをかぶせて、そこにワイヤーを吊り下げています。ワイヤーを展開する方向と逆向きに、ロープで引っ張って、伸縮ポールが傾かないように固定します。
1.9MHz用40mワイヤーの先端は、長さが適切であれば地上すれすれの位置(10cmくらい)でも動作します。風が強い時には、下手に空中に吊るすよりも、先端の5メートルぐらいを地上すれすれに張った方が安定します。先端付近に金属製のフェンスやガードレールがあると、共振周波数が大きく狂います。できるだけ離してください。
この方法では、長過ぎるワイヤーにはマッチングができません。初めて運用する周波数や、周辺に障害物が多い場合には、ワイヤーの先端の1~2mくらいをギボシ端子とプラチェーンで細切れにしておき、必要な分だけ接続すると便利です
ワイヤーの先端は、ロープなどで樹木や柵などに固定すると便利です。
河川敷のように、設置物が何も無い場所では、コンクリート製の「旗立台」にUボルトと固定用プレートを取り付けたものを地面に置いて、「たも網の柄」を改造して作った長さ1mを差し込み、先端からワイヤーを吊り下げています。
「ワイヤーの長さを調整する」「アンテナチューナーでマッチングする」の他、地面からの距離を変えることでも共振周波数(≒SWRが最低になる周波数)を微調整できます。先端を「旗立台」で固定している場合、旗立台を動かすだけです。ワイヤーを地面から離すと共振周波数が高く、地面に近付けると共振周波数が低くなります。先端をロープで引っ張っている場合は、ロープの長さを調整すればワイヤーと地面の距離が調整できます。
逆L型アンテナは、アンテナチューナーを使ってロングワイヤーアンテナとして動作させることも可能です。1/2波長の整数倍の長さのエレメントはアンテナチューナーによるマッチングが困難なので、その長さを避ける必要があります。例えば、3.5MHzの1/4波長は7MHzにマッチングできませんし、7MHzの1/4波長は14MHzにマッチングできません。
2006年3月21日作成、2021年3月4日更新