AO-7受信用 V型ダイポールアンテナ

  1. 簡単に調整できる14〜28MHz V型ダイポールアンテナ
  2. 21〜50MHzデルタループアンテナ
  3. AO-7受信用 V型ダイポールアンテナ
  4. AO-7の運用について(参考)
※「簡単に調整できる14〜28MHz V型ダイポールアンテナ」から改題しました(2007.09.12)
※AO-7とは、1974年打ち上げ(稼働中の衛星では最古!)のアマチュア衛星の名称です。→参考:アマチュア衛星通信初心者のためのWiki

1. 簡単に調整できる14〜28MHz V型ダイポールアンテナ

kouzou

リニア・ローディング方式のダイポールアンテナを実験しているうちに、ローディング部分をショートさせることで簡単にエレメント長の調整が出来ることに気付きました。その原理を利用して、14〜28MHzまで使用可能なV型ダイポールアンテナを作りました。(同時に複数のバンドに出られるアンテナではありません。調整が簡単、という意味です。)

このアンテナは調整に特別な工具や測定器を必要としません。SWR計だけで調整可能です。エレメントを短く切り過ぎる心配もありません。

アンテナ作りの最終目標の一つに、LCによるトラップ・コイルを使って7〜28MHzまで出られるマルチバンドアンテナを考えていて、それが完成するまでの一時的な「つなぎ役」のつもりで作りました。ところが使ってみると打ち上げ角が低いためDXもそこそこに出来る、使いやすいアンテナであることが分かりました。

作り方は図を見てください。リニア・ローディング部分のショートバーの位置を変えることで、アンテナの実効長を変えて共振周波数を調整します。バンドの切り替えはアルミパイプの接合本数を変えて、全長を調整することで行います。リニア・ローディング部分のショートバーには、周波数とアルミパイプの本数、あるいはエレメントの実効長の目盛りを付けておくと便利です。


multi dp
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基台部分の全景。材質はポリエチレン製100円まな板。V型と水平を切り替え可能。通常はV型で問題無いと思われる。設置場所が特殊な状況に無い限り切り替えは必要無い。 基台部分の拡大。2個のUボルトは上下にできるだけ離した方が良い。強風時に板が折れる可能性があるため。
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基台部分の反対側。コネクタの外被側をポールと電気的に接続するためアルミテープを貼付。 目玉クリップコード、デルタループにする時にエレメントの先端をこれで接続する。
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目玉クリップコードの接続部分。圧着端子のカシメ部分とビニル線被覆の境目の部分を熱収縮チューブで覆っておくと切れにくい。ビニールテープをホチキスで留めてラベルにしている。 調整用みの虫クリップ
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全パーツ。AO-7受信用ダイポールの時は上の4本+基台のみ使用 リニアローディング部分の先端。スズめっき線の保持にはアクリル板を使用。側面に溝を彫ってスズめっき線を埋め込み、接着剤で固定。
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リニアローディング部分の根元 リニアローディング部分の根元。アルミパイプの内径に合う木の丸棒を差し込み、ネジ止め。
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延長用エレメントの先端。デルタループの時に目玉クリップコードの張力を調整するため凝った加工をしました。そこまでする必要は無いです…。 延長用エレメントの根元。同じ構造でエレメントを何本も接続できる。木の丸棒は色分けしてあり、写真のエレメントは黄色の目印をつけた丸棒(直径10mm)に接続する。先端に近付くほどエレメントのパイプ外径は2mmずつ細くなる。

2. 21〜50MHzデルタループアンテナ

HF high band delta loop antenna

V型ダイポールアンテナのエレメント上端を、両端に目玉クリップを付けたビニル線で接続するだけで、21〜50MHzのデルタループアンテナができました(写真:28MHzに設定)。さっそく、東海QSOコンテストで試してみましたが、21MHz、28MHzは壊滅的なコンディションで、全く役立ちませんでした。

前述のV型ダイポールアンテナの完成は2006年1月頃でした。その後、7〜50MHzまでエレメント交換不要のトラップ式V型ダイポールモービルホイップを製作したため、HFモノバンドのアンテナは不要となり、部屋の片隅でホコリをかぶっていました。

その後、ダイポールよりは受信感度が良いことを確認しただけで、使い道も無くこのままお蔵入りかと思っていました。ところが…。


3. AO-7受信用 V型ダイポールアンテナ

Dipole for AO-7

2006年12月、AO-7のMode A(アップリンク145MHz/ダウンリンク29MHz)が一時的に復活しました。最初は受信にトラップ式V型ダイポールを使って、ダウンリンクの強い局とは何局かQSOに成功しました。しかしこのアンテナは28MHzのCWバンドに共振するよう調整しているので、29.4MHz付近ではSWRがほぼ∞となり、受信はカスカスでQSBの谷間では聞こえません。

そこで、リニアローディング方式のV型ダイポールを29MHz帯に調整し、AO-7受信専用として使ってみました(写真)。10W+4エレ八木でアップリンクしている自局のループが、IC-703のプリアンプをONにするとSメーターが常時振れる強さで確認できます。エレメントの全長も2mほどとコンパクトで、設置も簡単です。

さらに、エレメントを3本継ぎ(約270cm)、上端を長さ320cmの目玉クリップコードで接続して29MHzのデルタループアンテナにすることで、より強力に受信できるようになりました。天頂パスではSメーターが9まで振れ、Max El 10°の低いパスでもQSOできるようになりました。これだけの受信能力があれば、DXも期待できそうです。

デルタループアンテナはインピーダンスが50Ωより高いため、同軸ケーブル直結ではSWRが最低1.7程度にしか下がりません。この状態でも受信には問題ありません。

4. AO-7の運用について(参考)

全日照の期間に24時間周期でMode A(145/29MHz)とMode B(日本では使用不可)が切り替わります。全日照の期間がいつ始まり、いつ終わるかは全く分からず、いったん全日照が始まると数週間続く、程度の情報しかありません。運用時にはThe AO-7 Log and Resourse Siteなどで確認する必要があります。

モードはSSB(送信・受信ともUSB)またはCWです。CWのアップリンクはFO-29と同程度の設備(10W+利得10dB程度のアンテナ)でできます。VO-52と違ってAGCはほとんど無いので、受信音がチャピる(=chirpする)手前までアップリンクの出力を上げてもよいでしょう。衛星に届いた信号の強さがそのままダウンリンクの強さに反映されるため、送信のビーム合わせはVO-52やFO-29よりシビアで、パスによっては仰角も確実に合わせる必要があります。

受信はQSBが激しく、USBの運用には高い受信能力が要求されます。CWで受信がV型ダイポールの場合「Max El が20°より高いパス」がQSO可能な目安です。

アップリンクは145.850〜950MHz、ダウンリンクは29.400〜500MHzです。ドップラーシフトは約±3kHzです。実際はアップリンク145.890〜910MHz付近に大部分の局が出ます(使用法によると、パスバンドの中央付近は信号が最も強い)。バンドエッジ付近は空いているので、慣れるまでは確実にループが聞こえるまでバンドエッジでループテストを行うとよいでしょう。アップリンクとダウンリンクの関係を表に示します。他の衛星と同様、Max El付近は周波数変化が速いです(といってもFO-29より遅い)。

アップリンク(MHz) 145.890 145.900 145.910
ダウンリンク(MHz) AOS 29.443 29.453 29.463
Max El 29.440 29.450 29.460
LOS 29.437 29.447 29.457

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清水祐樹 JO2ASQ(mail

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